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データセンターが建設ラッシュの時代に~最新のトレンドや選び方を紹介~

データセンター 基礎知識

AI技術の急速な進展やクラウドサービスの普及により、国内外でデータセンターの建設ラッシュが続いています。特に生成AIの需要拡大やクラウドサービスの普及により、日本でも東京や大阪を中心に大規模な建設が進行中です。

本記事では、データセンター建設の最新動向と背景、そして一般企業がデータセンターを選ぶ際のポイントを解説します。

目次

データセンター近年の動向

データセンター市場は世界的に拡大を続けており、日本国内でも建設ラッシュが加速しています。国内外の動向を整理します

海外のデータセンター

総務省「令和7年版 情報通信白書」によれば、世界各国のデータセンター数は米国が圧倒的に多く、2025年3月時点で5,426施設となっています。2位以下の15カ国を合計しても3,975施設であり、米国に集中しています。

世界のデータセンター市場規模(売上高)は、2024年に4,161億ドルに達し、2029年には6,241億ドルまで拡大すると予測されています。

出典:総務省/令和7年版 情報通信白書(データセンター)

 日本のデータセンター

日本のデータセンター市場も、AIやクラウドの利用拡大を背景に、ここ数年で急速に拡大しています。IDC Japanの調査によれば、2023年時点で市場規模は2兆7,361億円に達しました。2023年から2028年の年間平均成長率は13.2%で推移し、2028年には5兆812億円に達すると見込まれます。

データセンターの数は2025年3月時点で222施設となり、東京圏と大阪圏が全体の約8割を占めています。近年は、災害リスクの分散や広い土地の確保を理由に、地方での新規建設も増加傾向です。

出典:IDC Japan, 2024年10月「国内データセンターサービス市場予測、2024年~2028年」(JPJ51508524)

データセンター建設ラッシュの背景

データセンター建設が急増している背景には、複数の要因が絡み合っています。主要な4つの要因を解説します。

生成AI需要の拡大

データセンター建設ラッシュの最大の要因は、生成AIの爆発的な普及です。生成AIは、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)のトレーニングや推論処理に膨大な計算リソースを必要とします。

大規模言語モデルを動かすAIサーバーは、一般的なサーバーよりも消費電力が大きく、高性能なGPUを多く搭載するため、データセンター側にも大容量の電力供給と高度な冷却システムが求められます。また、生成AIは低遅延での応答が求められるため、多くの企業が集中している東京や大阪など、ユーザーに近い場所に建設されるケースが多いです。

データ通信量の増加

モバイル端末やIoTデバイスの普及、SNSの利用拡大、動画配信コンテンツの高解像度化により、インターネット上のデータ通信量は飛躍的に増加しています。高速大容量ネットワークの普及により、データセンターへのデータ通信量もさらに増大しました。

高解像度の4K・8K動画配信、オンラインゲームのストリーミング、リモート会議の常態化など、データ量を増加させる要因は多岐にわたります。これらのデータを保管・処理するためのデータセンター需要が高まっており、新設や増設が急務となっています。

企業DXの加速

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進も、データセンター需要を押し上げています。経済産業省が2018年に「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」を公表して以降、業種業界を問わずDXが進められてきました。

企業DXに伴い、自社サーバーやシステムをオンプレミス環境からクラウド環境へ移行するケースが増加しています。Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどのパブリッククラウドサービスの利用拡大により、これらのサービスを支えるデータセンターのインフラ需要も高まっています。

出典:経済産業省/DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

データセンターの地方分散配置

政府主導によるデータセンターの地方分散政策も、建設ラッシュを後押ししています。総務省は「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」を策定し、地方分散による強靱な通信ネットワークの構築やデータセンター・通信インフラ基盤整備のため、令和3年度から6年度にかけて合計720億円規模の予算を投じて、データセンターの地方分散の支援を継続中です。

データセンターが東京や大阪に集中する現状は、大規模災害発生時に全国的なネットワーク障害を引き起こすリスクがあります。地方分散により、災害リスクの軽減とBCP(事業継続計画)の強化が求められています。

出典:総務省/デジタル田園都市国家インフラ整備計画(改訂版) 

データセンターの規模によるトレンドの違い

データセンターは主に、メガクラウド向けのハイパースケールデータセンターと、一般企業向けのデータセンターの2つに分類されます。

ハイパースケールデータセンターの建設需要

ハイパースケールデータセンターとは、AWSやMicrosoft、Googleなどのパブリッククラウド事業者が運営する、極めて大規模なデータセンターです。膨大なデータを処理する能力を持ち、主にIaaSなどのクラウドサービス提供やビッグデータの分析用として使用されます。

IDC Japanの調査によれば、関東および関西では毎年300メガVA(ボルトアンペア)を超える大規模データセンターの新設が続く見込みです。これは一般家庭のオール電化住宅約5万世帯分の電力容量に相当する規模です。2029年までの期間で予測されている年間平均成長率は13.7%で、この成長の大部分はハイパースケールデータセンターが牽引しています。

一般企業向けデータセンターの建設需要

ハイパースケールデータセンターと一般企業向けのデータセンターの大きな違いは、規模と目的です。

一般企業向けデータセンターでは、ハウジングサービス(自社サーバー機器を預ける)やコロケーションサービス(自社サーバーを設置するスペースを借りる)があり、企業の事業規模や要件に応じて柔軟に利用できます。小スペースから借りることができるため、近年ではメガクラウド系のIaaSサー
ビスや業務アプリなどのSaaSサービスと、組み合わせて利用する企業が増えています。

また、サーバーを預かる専用施設として設計されているため、BCPやセキュリティ強化を目指す上で非常に有効です。次の章でデータセンターの選び方を紹介していますので、検討の際にぜひ参考にしてみてください。

一般企業向けデータセンターの選び方

企業がデータセンターを選定する際には、複数の観点から慎重に検討する必要があります。特に大事な4つのポイントを解説します。

災害対策

データセンター選びにおいて、災害対策は最も重要な要素の一つです。

耐震性・免震性に優れた建物構造、地盤の強固さ、津波や洪水の浸水リスクなどを確認します。非常用発電設備やUPS(無停電電源装置)により、停電時でも一定期間サービスを継続できる体制が整っているかも重要です。

地理的な分散も考慮すべきポイントです。データセンターにメインサーバーを配置し、バックアップデータは異なる地域に保管することで、同時被災のリスクを低減できます。

DR対策やBCPの詳細については、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。

関連記事:DR対策とBCPの違いとは?データセンター活用による実現方法も解説

運用体制

データセンターの運用体制は、安定したサービス提供のために重要な選定基準です。

設備管理の面では、空調・電源設備の定期点検・予防保全が計画的に実施されているかを事前に確認することが重要です。

運用面においては、自社に必要なサービスレベルを提供しているかを確認することが大切です。24時間365日の監視体制と専用オペレーターが常駐しているセンターであれば、障害発生時の迅速な対応が可能になります。また、緊急時の現地対応やリモートハンド(現地作業代行)などのサービスを提供しているセンターもあります。

併せて、自社でサーバー管理の専門人材を確保することが難しい場合は、運用のアウトソーシングが可能かどうかも検討すべきポイントです。

セキュリティ対策

データセンターのセキュリティ対策は、企業の情報資産を守る上でも非常に重要です。以下の表で、それぞれの対策内容を整理します。

対策項目 内容
入退室管理 ICカードや生体認証による厳格なアクセス制御
監視カメラ 施設内の主要箇所に設置し、常時録画・監視
有人監視体制 警備員による24時間365日の常駐監視
 セキュリティゾーニング  重要度に応じたエリア分割と多段階アクセス制御
持ち込み制限  外部記憶媒体やカメラなどの持込の制限

これらの対策が自社の要件を満たしているかどうかを、比較検討することが重要です。

データセンターのセキュリティ対策の詳細については、以下の記事でより詳しく解説していますので併せてご確認ください。

関連記事:データセンターのセキュリティ対策|物理的保護やセキュリティ基準を解説

コスト

データセンターの選定では、初期費用と運用費用の両面からコストを評価します。一見すると自社運用よりもセンター利用の方が高額に見えることがありますが、サーバー管理の人件費、設備投資、電気料金、セキュリティ対策費用などを総合的に検討すると、データセンター利用の方が低コストに抑えられる場合も少なくありません。

まとめ

本記事では、データセンター建設ラッシュの現状と背景、規模ごとのトレンド、そして一般企業向けデータセンターを選ぶ際のポイントを解説しました。

AI技術の進展やデータ通信量の増加、企業DXの加速により、国内外でデータセンターの建設が急増しています。一般企業向けのデータセンターも増加しており選択肢は多岐にわたりますが、データセンターを選定する際には、災害対策やセキュリティ、運用、コストなどを総合的に評価することが重要です。

AGSの都市型データセンター「さいたまiDC」は、高い耐震性能と電源・空調の冗長化により、災害に強い環境を提供しています。BCP対策やバックアップ体制の構築、セキュリティ強化など、一般企業のデータセンター活用をトータルでサポートします。

データセンター選定やBCP対策の見直しをご検討中の企業様は、ぜひご相談ください。

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