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データセンターのファシリティスタンダードとは?ティアの評価基準を解説

セキュリティ データセンター

データセンターを選定する際には、品質や信頼性を客観的に評価する基準が必要です。その代表的な指標として「Tier(ティア)」と「データセンターファシリティスタンダード」があります。本記事では、これらの評価基準の概要と各ティアレベルの特徴について解説します。

目次

Tier(ティア)とは

Tierはデータセンターの品質を数値化するための最も有名な評価基準であり、アメリカの民間団体Uptime Instituteによって策定されました。この基準は、設備の冗長性、可用性、メンテナンス時の運用継続性などを総合的に評価し、1から4までの4段階で格付けを行います。

評価が高いほど、停電や設備障害に対する耐性が強く、安定した稼働が期待できるデータセンターであることを意味します。Tierは世界中のデータセンター事業者や利用企業に広く認知されており、データセンター選定時の客観的な判断材料として活用されています。電力供給体制や冷却システムの構成、障害発生時の影響範囲などが明確に定義されているため、データセンター事業者と利用企業との間で共通の品質認識を持つことが可能になります。

データセンターファシリティスタンダードとは

データセンターファシリティスタンダードとは、日本データセンター協会(JDCC)によって策定された、日本国内の実情を反映したデータセンター評価の枠組みです。この基準は、Uptime InstituteのTier基準をベースとしながらも、日本特有の環境要因や技術背景を考慮した独自の評価軸を持っています。

例として、日本の商用電力網は停電が極めて少なく世界トップクラスの安定性を持つことから、商用電力を主電源とすることが一般的で、海外のように自家発電を主電源とする設計前提では実態に合いません。加えて、日本は地震大国であるにもかかわらず、Tier基準では耐震性能や免震構造といった地震対策が評価項目として明確に位置づけられていませんでした。

データセンターファシリティスタンダードでは、これらを反映させた「建物・セキュリティ・電気設備・空調設備・通信設備・設備運用」の6分野にわたる合計14の「基準項目」と、併せて採用が望ましいとされる33の「推奨項目」が設定され、項目ごとにティア1からティア4の4段階で評価されます。なお、この基準はあくまで事業者と利用企業との間で品質を共有するための指標であり、法律で義務付けられた規制ではない点に留意が必要です。

データセンターティアレベル

データセンターファシリティスタンダードにおける各ティアレベルが想定しているサービスレベルについて解説します。これらは稼働信頼性が目安として設定されており、システム要件に応じて適切なレベルを選択することが重要です。

ティア1

ティア1は評価基準の中で最も低いレベルです。地震や火災などの災害に対して一般建物と同等レベルの安全性が確保されており、瞬間的な停電時においても継続してサービスを提供できる設備を備えています。想定する稼働信頼性は99.67パーセント以上です。

サーバー室へのアクセスが管理されており、基本的なセキュリティ対策が講じられています。

ティア1は電力や冷却経路が単一であり、メンテナンスや機器の故障など予期せぬ障害が発生した場合には、サービスの停止が避けられません。コストを重視する場合や、可用性要件がそれほど高くないシステムに適しています。

ティア2

ティア2のデータセンターはティア1の要件に加えて、長時間の停電時においてもサービスを継続して提供できる設備を備えています。自家発電設備などのコンポーネントが追加されており、サーバーラックへの電力供給の安定性が向上しています。

想定する稼働信頼性は99.75パーセント以上です。

ティア3

ティア3は複数の電力や冷却経路を持つデータセンターです。メンテナンスや機器の故障時にもシステムを停止せずに稼働できる構成となっています。二系統の電源経路と冷却経路に接続されており、一方の経路が停止しても、もう一方の経路で運用の継続が可能です。

サーバー室及び建物へのアクセス管理が実施されており、ティア1やティア2と比較し更なるセキュリティ対策が求められます。

想定するエンドユーザーの稼働信頼性は99.98パーセント以上で、予期せぬ障害が発生した場合でもサービスを継続できる可能性が高く、高い可用性が求められる業務システムや重要なデータを扱う企業に適しています。

ティア4

ティア4は最上位のサービスレベルであり、すべてのコンポーネントが完全に冗長化されており、メンテナンスや予期せぬ障害が発生しても、サービスを中断せずに運用が可能です。

サーバー室や建物へのアクセス管理に加え、敷地やラックへのアクセス管理が要求され、より厳格なセキュリティ対策が実装されています。

想定するエンドユーザーの稼働信頼性は99.99パーセント以上で、極めて高い可用性を実現しています。複数の独立した電力供給経路と冷却経路を持ち、障害時の自動切り替えも可能です。

ティア4は行政機関や金融機関だけでなく、高い信頼性やセキュリティ対策が求められる民間企業など、24時間365日無停止での運用が求められるミッションクリティカルなシステムに適しています。

データセンターファシリティの重要な基準

データセンターファシリティスタンダードでは、建物、セキュリティ、電気設備、空調設備、通信設備、設備運用の6つの観点から、基準項目と推奨項目が定められています。これらを理解することで、データセンターの品質を正しく評価できるようになります。

建物

建物の堅牢性は、地震等の災害時のデータ保護に直結する重要な項目です。専用の用途で設計されたデータセンター専用建物か、複数の用途を持つ建物かで評価されます。

データセンター専用建物は、構造設計の段階からサーバー機器の荷重や耐震性、セキュリティを考慮して建設されています。建物の築年数や耐震基準への適合状況も重要な評価ポイントです。災害に対する耐性が高いほど、ティアレベルも高くなります。

セキュリティ

セキュリティは、セキュリティ管理レベルで評価されます。入退館管理の厳格さ、監視カメラの設置状況、生体認証の導入状況などが評価の対象です。有人監視体制、多要素認証の導入、サーバールームやラックへのアクセス制限など、多層的なセキュリティ対策が求められます。
データセンターのティアレベルが上がるほど、セキュリティ管理の範囲と厳格さが増していきます。

電気設備

電気設備は、商用電源の引き込み経路や、UPS(無停電電源装置)、自家発電設備など、複数の箇所で冗長性が評価されます。ティア1では単一経路ですが、ティア4では全てが冗長化され複数経路を持ちます。

電源設備の冗長性は、データセンターの可用性に直結する最も重要な項目の一つです。停電時にも安定した電力供給を維持できる体制が整っているかが評価されます。

空調設備

空調設備は、冷却経路の冗長性によって評価されます。データセンターのラックに収容される機器は発熱量が大きいため、冷却システムの信頼性は極めて重要です。空調設備も電気設備と同様に冗長性が求められます。

複数の空調機を配置し、一部が故障しても冷却能力を維持できる構成が理想的です。温度管理や湿度管理の精度も評価対象となり、ティアレベルが高いほど冗長性と正確な管理精度が求められます。

通信設備

通信設備は、通信経路の冗長性によって評価されます。複数の通信事業者からの回線引き込み、センター内の異なる経路での配線、通信機器の冗長化などが評価の対象です。データセンターのラックに収容されるサーバーや機器へのインターネット接続の信頼性は、クラウドサービスやオンラインビジネスにとって生命線です。

ティアレベルに応じた通信経路の冗長化により、障害時のリスクを軽減できます。

設備運用

設備運用は、常駐管理体制やISO27001認証、FISC運用基準によって評価されます。24時間365日の監視体制、定期的な設備点検、緊急時の対応手順などが評価対象です。
データセンターのサーバーラックや電源設備などの高品質なファシリティも、適切な運用体制があってこそ機能し、ティアレベルの維持につながります。

ティア4クラスのデータセンターさいたまiDC

AGSのさいたまiDCは、データセンターファシリティスタンダードに準拠し、ティア4クラスの高い信頼性を実現したデータセンターです。企業のビジネスクリティカルなシステムや重要な情報資産を、堅牢な設備と万全の運用体制で守ります。

さいたまiDCの主な特徴を「基準項目」で分類すると以下の通りです。

項目

内容
建物 ・データセンター専用に設計された設備
・耐震性能S(最高)グレードを持ち、震度7レベルにも耐えられる免震構造
セキュリティ ・24時間365日の有人監視
・ICカードと静脈認証の2要素認証を導入
・事前受付システムによる入館者の事前登録により、セキュリティレベルを確保しつつ、スムーズな入館が可能
電気設備 ・商用電源・UPS・自家発電設備において冗長構成を完備
空調設備 ・空冷式空調機の冗長構成
・ラック内温度を一定に保つセンサーを完備
通信設備 ・キャリアフリーで複数の通信事業者からの回線引き込みが可能
・冗長化された共有インターネットサービスを提供可能
施設運用 ・ISO27001認証を取得、FISC運用基準に準拠
・定期的な点検や訓練を実施

さいたまiDCでは、24時間365日専用スタッフが常駐し、監視カメラの映像確認や定期巡回を行っています。設備異常やセキュリティインシデントが発生した際には、専門スタッフが迅速に状況を把握し、適切な措置を講じることで、被害の拡大を防ぎます。

また、電源や空調などの各設備は全て冗長化されており、万が一の災害発生時においても、サービスを継続してご提供することが可能です。金融機関や自治体、医療施設など、システム停止が許されない業務でも安心してご利用いただけます。

セキュリティ面では、ICカードと静脈認証の二要素認証を採用することで、なりすましや不正侵入を高いレベルで防止しています。入退室履歴はすべて記録され、万が一のインシデント発生時にも追跡調査が可能です。

さいたまiDCは、ティア4クラスの高品質な環境により、お客様の事業継続と情報保護を強力にサポートします。データセンターの基本的な仕組みや利用するメリットについては、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。

関連記事:データセンターとは?利用するメリットや主な設備を解説

まとめ

データセンターの品質を評価する指標として、Tierとデータセンターファシリティスタンダードがあります。Tierは世界的な基準であり、データセンターファシリティスタンダードで定義されるティアレベルは日本の実情に合わせた評価基準です。

各ティアレベルは、想定される稼働信頼性が異なるため、自社のシステム要件とコストのバランスを考慮して、適切なレベルを選定することが重要です。また、データセンターを選定する際には、建物、セキュリティ、電気設備、空調設備、通信設備、設備運用といった項目を確認することが推奨されます。

AGSの「さいたまiDC」は、ティア4クラスの高い信頼性を持つデータセンターです。データセンターのハウジングサービスをご検討の際は、ぜひさいたまiDCにご相談ください。

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