コラム
データセンターの立地が重要な理由|データセンターを選ぶ際のポイントも解説

停電、浸水、通信障害。たった一度のトラブルが、企業のIT基盤を止めてしまうことがあります。自社の機器をデータセンターに預ける上で、「立地の選定」は、事業継続を左右する重要な要素です。
本記事では、データセンターの立地が重要な理由や選定時のポイント、さらに立地以外に確認すべき要素についても併せて解説します。自社に最適なデータセンターを選ぶ際の参考としてお役立てください。
目次
データセンターの立地が重要な理由

日本は地震や台風、豪雨などの自然災害が頻繁に発生する国です。被災すれば、企業の事業活動が長期間停止する可能性があるため、データセンターを選定する際は、災害リスクの低い地域を選ぶことが重要です。
特に、金融・流通・公共など24時間稼働が前提の業種では、データセンターの立地はBCP(事業継続計画)の根幹を支える重要な要素となります。また、万が一の障害発生時には現地に直接出向く必要があるため、交通の利便性にも考慮が必要です。
さらに、ネットワーク品質の観点から、インターネットの中継拠点やクラウドサービスの通信基盤に近い場所を選ぶことで、通信の遅延を抑え、より安定したシステム運用が可能になります。
データセンターを選ぶ際のポイント

企業がデータセンターを選定する際には、様々な要素から総合的に評価する必要があります。以下では、確認すべき重要なポイントを解説します。
地震災害のリスク
日本は世界有数の地震多発地域です。近年の大地震においても、都内の一部データセンターで停電や通信障害が発生し、企業の業務が長期間停止した例もありました。
新たにデータセンターを検討する際には、首都直下地震や南海トラフ地震など、今後発生が想定される大規模災害に備え、地震災害リスクが低い場所を選ぶことが重要です。過去の地震発生履歴や活断層の分布状況、政府が公表している地震ハザードマップや地域防災計画を参考に、地震の発生確率や想定される震度を把握しましょう。
また、地盤の強度も重要な要素です。軟弱地盤の上に建てられたデータセンターは、地震の揺れが増幅されやすく、建物や設備への被害が大きくなる可能性があります。岩盤や固い地盤の上に建設されたデータセンターを選ぶことで、地震時の安全性を高められます。
水害・土砂災害のリスク
近年、台風やゲリラ豪雨による水害が頻発しており、データセンターの浸水被害も懸念されます。2019年の台風19号では、関東甲信越・東北地方で多数の河川が氾濫し、広範囲で停電や断水、鉄道の運休などのインフラ被害が発生しました。
沿岸部や海抜の低い地域、河川沿いの低地は浸水リスクが高く、山間部や傾斜地に近い場所では土砂災害の危険性が高くなります。国土交通省が公開している洪水ハザードマップや土砂災害警戒区域の情報を確認し、リスクの高い場所を把握することが重要です。
交通の利便性
データセンターへのアクセス性は、緊急時の対応力に直結します。万が一の事態が発生した場合は技術者が直接出向く必要があるため、交通の利便性は重要な選定基準です。
夜間や休日に障害が発生した場合のアクセス方法や、災害発生時の到達経路などを予め検討しておくことが重要です。主要都市や自社オフィスからの移動時間、主要道路や高速道路へのアクセス、公共交通機関の利便性などを総合的に評価しましょう。
メガクラウドへのアクセスポイントの近さ
近年のIT環境では、AWS、Azure、Google Cloudなどのメガクラウドサービスとの連携が一般的です。データセンターがこれらのクラウドサービスのアクセスポイントに近い場所にあれば、ユーザーへのデータ通信を低遅延で行うことが可能です。
特に、リアルタイム性が求められるサービスや、大容量データのやり取りが頻繁に発生する業務では、ネットワーク遅延が業務効率やユーザー体験に大きく影響します。東京や大阪の主要インターネットエクスチェンジ(IX)や通信事業者のネットワークハブに近いデータセンターを選ぶことで、低遅延・高品質な通信環境を実現可能です。
自社拠点との距離
データセンターを自社の拠点と同じ地域に配置すると、広域災害が発生した際に、自社とデータセンターが同時に被災するリスクがあります。
例えば、東京に本社がある企業が都内のデータセンターを利用している場合、首都直下地震のような大規模災害が発生すると、本社とデータセンターの両方が被害を受けることになりかねません。
そのため、自社拠点から同一災害圏外となる適度な距離を確保しつつ、緊急時のアクセスの良さとのバランスを取れた立地を選定する必要があります。
立地以外で確認すべきポイント

データセンターの立地選定も重要ですが、施設そのものの設備や機能も事業継続性とシステムの安定稼働に大きく影響します。以下では、立地以外で確認すべき重要なポイントについて解説します。
地震対策(免震構造)
地震の揺れによる影響を最小限に抑える免震構造は、データセンターの安全性を高めるうえで重要な要素です。
免震構造は、建物と地盤の間に免震装置を設置し、地震の揺れを吸収・緩和します。これにより、サーバーラックや精密機器への影響を最小限に抑え、地震発生時でもシステムの継続稼働を可能とします。データセンターを選ぶ際には、建設場所に適した地震対策が講じられているかを確認することが重要です。
浸水対策
データセンターの浸水対策は、水害発生時の被害を最小限に抑えるために不可欠です。
建物の入口や地下への侵入経路に防水扉や止水板を設置することで外部からの浸水を防止できます。また、サーバールームや電源設備を上層階や分散配置にすることで、万が一の浸水時でもシステムへの影響を最小限に抑えられます。排水設備の整備状況も確認すべきポイントです。
火災対策
火災対策も、データセンターの安全性を確保する上で重要です。
早期に火災を検知できる高感度な煙感知器がサーバールームに設置されているかを確認する必要があります。また、消火設備として、機器を損傷させない不活性ガス消火設備やスプリンクラーシステムが導入されているかを確認しましょう。
火災時の延焼を防ぐため、防火区画や耐火構造の採用状況も重要な評価項目です。
空調設備
データセンターの安定稼働には、24時間365日の温湿度管理ができる空調設備が不可欠です。
サーバーは稼働中に大量の熱を発生させるため、適切な冷却が行われないと機器の故障やシステム停止のリスクが高まります。また、空調設備の冗長化も重要で、万が一主系統が故障した場合でも、予備システムに切り替えることで継続的な冷却が可能になります。
セキュリティ対策
データセンターには企業の重要なデータやシステムが集約されているため、セキュリティ対策が徹底されている必要があります。
生体認証やICカードによる多段階認証、監視カメラや24時間365日の有人監視体制が整っているかを確認しましょう。また、入退室記録が適切に管理され、許可された担当者のみがアクセスできる体制になっているかも評価する必要があります。
ISO/IEC 27001(ISMS)などの国際的なセキュリティ認証を取得しているデータセンターであれば、より高い信頼性が期待できます。
運用・サポート
データセンターに預けたサーバー機器でシステム障害が発生した場合、早期検知と初動対応の速さがシステム停止時間を左右します。
データセンターによっては、機器の死活監視やしきい値監視、LEDランプの目視確認といった監視サービスを提供している場合があります。また、障害発生時の電話連絡や電源の再起動(リブート)、ケーブルの挿抜確認などの一次対応を依頼できると、自社の運用負担を抑えられます。
監視・運用・保守を包括的に提供するマネージドサービス(MSP)をオプションとして用意しているデータセンターもあります。
まとめ

企業がデータセンターを選定する際は、立地・設備・運用の面から総合的に評価することが重要です。
立地では、地震や水害などの災害リスクが低く、交通の利便性に優れ、通信インフラへのアクセスが良好な場所を選ぶことで、事業継続性とシステムの安定稼働を実現できます。加えて、自社拠点との適度な距離を確保することで、災害時のリスク分散につながります。
設備面では、免震構造や浸水対策、火災対策に加え、空調設備の冗長化やセキュリティが整っているかを確認しましょう。また、運用面では、監視やシステム障害発生時の一次対応など、非常時のサポート体制を事前に確認しておくことが大切です。
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