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サーバールームの設置基準とは?ポイントや注意点を解説

データセンター 基礎知識

企業のシステムを安定して稼働させるには、サーバーを安全かつ効率的に運用できる環境づくりが欠かせません。その中核を担うのが「サーバールーム」です。

サーバールームは、安定した電源・温度・湿度環境のもとでサーバーを運用する専用の空間です。設計を誤ると、機器の故障やシステム停止につながるおそれがあります。

本記事では、サーバールームの役割や設置基準やポイント、注意点をわかりやすく解説します。自社でサーバー環境を構築・運用する際の参考にしてください。

目次

サーバールームの役割と重要性

サーバールームは、企業の情報システムを安定稼働させるための「心臓部」です。サーバーやストレージ、ネットワーク機器を集約し、システム稼働やデータ通信を支えています。

役割としては「機器の安定稼働」と「障害リスクの低減」です。
サーバーは稼働中に大量の熱を発生させるため、通常のオフィスでは過熱により故障のリスクが高まります。専用の空調・電源設備を備えることで、温度や湿度を一定に保ち、機器の寿命を延ばすことができます。

また、機器や配線を集約することで保守・点検作業の効率化や、物理的アクセス制御によるセキュリティ強化にもつながります。サーバールームは、IT資産を守り、事業継続を支える重要な基盤です。

サーバールームの設置基準やポイント

サーバールームを構築する際は、温度管理や動線、防音、セキュリティ、防災などの要素を総合的に考慮し、長期的な安定稼働と効率的な運用を実現できるように設計する必要があります。

レイアウトの考え方

サーバールームでは、動線の確保とゾーニング設計が重要です。機器の点検や交換をスムーズに行うため、搬入経路やラック前後の十分な作業スペースの確保、非常時を想定した退避動線を明確にします。

また、キャッピングにより空間を分けることで冷却効率を高められます。キャッピングとは、ラックの前面(もしくは背面)を向かい合わせに配置して、冷気を送るコールドアイルと排気を回収するホットアイルに空間を分離する手法です。冷気と温風が混ざらないため、空調効率が向上します。配置は、将来的な機器増設にも対応できる柔軟な構成が理想です。

空調設備の設置場所

空調機器の配置は、サーバールーム全体の冷却効率を大きく左右します。冷気が均一に行き渡るよう、空気の流れを遮る障害物や配線の干渉に注意しなければなりません。

また、発熱量の多いサーバーが集中するエリアには、局所冷却装置を組み合わせると効率的です。空調設備はメンテナンス性も重要で、フィルター交換や点検が容易な位置に設置し、稼働状況を常時監視できるようにしておくと安心です。

詳しくは「サーバー冷却の基本知識|自社運用の課題と解決策を解説」をご覧ください。

防音・遮音性

サーバーや空調設備は常時稼働しており、ファンや送風機から発生する騒音は無視できません。執務スペースに隣接している場合、業務に支障をきたすレベルに達することもあります。そのため、防音壁や吸音パネル、防音ドアの設置によって遮音性能を確保し、社内の快適性を保つことが重要です。

特にオフィス併設型のサーバールームでは、設計段階から防音を前提に計画する必要があります。床材や壁材に吸音性の高い素材を使用し、共鳴音や反射音を抑えることで効果的に騒音を低減できます。さらに、空調ダクトなどの開口部にも防音対策を施すことが重要です。これにより、安定した静音環境を維持できます。

セキュリティ対策

サーバールームは企業の情報資産を守る最重要エリアであり、セキュリティ対策が欠かせません。

入退室管理にはICカードや生体認証を導入し、入室者の履歴を自動的に記録します。加えて、監視カメラを常時稼働させ、映像を一定期間保存することで、不正侵入や内部不正の抑止効果が高まります。また、サーバーラックごとに鍵を設け、盗難防止ワイヤーや防犯センサーを併用することで、多層的な保護を実現できます。鍵やカードの管理権限を明確にし、定期的に入退室ログを点検することで、万一のトラブル発生時に迅速な原因特定が可能となり、システムの信頼性を維持できます。

消防対策

サーバールームでは多くの電子機器が稼働しており、発熱や電源負荷が集中するため、火災リスクを最小限に抑える仕組みが必要です。一般的なスプリンクラーは放水によって機器を損傷させるおそれがあるため、不活性ガスを用いたガス系消火設備を導入するのが適切です。

さらに、温度上昇や煙を検知するセンサーを設置し、異常を早期に検知して警報や自動消火を作動させる体制を整えることが重要です。防火壁や難燃性建材を使用することで延焼を防ぎ、電源ケーブルの配線も耐熱・防火仕様に統一しておくことも有効です。定期的な消火設備の点検を忘れず実施しましょう。

サーバールームを設置する際の注意点

構築後の運用フェーズでも、安定稼働を維持するための継続的な管理が必要です。

温度や湿度を最適な状態に保つ

サーバー機器の性能を安定して維持するためには、温度と湿度の適切な管理が欠かせません。一般的に推奨温度は18〜27℃、湿度は40〜60%とされています。

温湿度管理が重要な理由は、機器の故障率に直結するためです。高温環境では電子部品の劣化が加速します。また、湿度が低すぎると静電気が発生しやすくなり、高すぎると結露によるショートや腐食の原因となります。

温湿度センサーを設置して常時監視し、空調設備を自動制御することで安定した環境を維持する必要があります。季節変動が大きい地域では、加湿や除湿機能の実装を検討しましょう。

定期的なメンテナンスの実施

サーバールームの電源設備と空調設備は、定期的なメンテナンスが不可欠です。

電源設備では、UPS(無停電電源装置)のバッテリー点検が重要です。UPSは停電や電圧低下時に電力を供給する装置ですが、バッテリーは経年劣化により性能が低下します。劣化したバッテリーを放置すると、停電時に正常に切り替わらず、システム停止につながります。定期的な負荷試験や容量測定を実施し、交換時期を見極めることが重要です。

空調設備では、フィルター清掃とエアフローの確認が欠かせません。フィルターに埃が蓄積すると風量が低下し、冷却効率が悪化して機器の過熱を招きます。

定期的な設備点検や作動確認、清掃など、計画的な保守体制を整備することが重要です。

バックアップの取得

サーバールームは火災・浸水・地震などのさまざまな災害リスクにさらされています。バックアップを取得していても、同じサーバールーム内に保管している場合は、災害時にバックアップも同時に失われる可能性があります。

そのため、複数拠点にバックアップデータを分散しておくことが重要です。「3-2-1ルール」(3つのデータを2種類のメディアに保存し、1つは遠隔地に保管する)を意識することで、あらゆるトラブルに対する耐障害性を高められます。

なお、バックアップは日常的に取得し最新化しておくほか、定期的なリストア(復元)テストによって実際に復旧可能かを確認することも大切です。

サーバールーム設置にかかるコスト

サーバールームの設置には、さまざまな費用が発生します。

費用区分 主な内容
初期費用

・ラック、空調、防音材、消火設備、セキュリティ設備など
・配線工事や電源増設

運用費用

電気代、保守・点検、人件費など

拡張費用

ラック増設、電源・空調能力の増強、床荷重補強など

リプレース費用

老朽化した設備の入れ替え

小規模なサーバールームであっても、設備投資から維持管理までを含めると相当な費用が必要なため、長期的な視点でコスト設計を行うことが重要です。

サーバールームとデータセンターの違い

自社でサーバールームを運用する場合、設備のメンテナンスや機器の監視による担当者の負担、災害時の対応などさまざまな課題が発生します。

これらを解決する手段として、データセンターの活用が挙げられます。データセンターは、冗長化された電源・空調・防災設備を備え、専門技術者による24時間体制の運用が行われています。データセンターを利用することで、高い可用性とコスト効率を両立できます。

サーバールームとデータセンターの違いは次の通りです。

 項目 自社サーバールーム  データセンター 
設備投資  設備購入・工事費が必要

規定の初期費用のみ

運用体制 

社内で監視が必要

専門オペレーターが常駐

災害対策 

自社でBCP対策が必要

耐震・防災設計済み

詳しくは「データセンターとは?利用するメリットや主な設備を解説」をご覧ください。

まとめ

サーバールームは、企業の情報インフラを支える重要な設備です。設置の際は、レイアウト・空調・防音・セキュリティ・防災など、多角的な観点から環境を整える必要があります。また、構築後も温湿度管理や定期的なメンテナンス、データバックアップなどの管理が欠かせません。
これらをすべて自社で維持するには高度な専門知識と継続的な投資が求められます。

データセンターを利用すれば、サーバー運用に特化した最適な環境を月額利用料のみで利用できます。また、専任のオペレーターが常駐しているため、システム担当者の負担軽減に繋がります。

埼玉県に位置する「さいたまiDC」は、都心からのアクセス性と災害リスク分散性を両立し、サーバー運用に最適な冷却・防災・セキュリティ設備を提供しています。詳細については、ぜひサービス紹介ページをご確認ください。

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